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日常と非日常と服と旅

物事をいちいち角度を変えて少しでも楽しく生きていきたい女のブログです

ただの旅記1

ただいまJAPAN。

 

 

思わず旅の途中でブログを書いてしまいたくなるようなあの事件から約一週間、私は無事に帰国したよ。

 

初めてのひとり旅、初めてのゲストハウス、

初めての陸路での国境越え、そして初めてのカンボジア

色んな処女を失ってきた。いい意味で。

 

 

空港に着くまではたくさんの不安や心配もあったけど、

ワクワクドキドキのほうが大きく勝っていくそのピークの瞬間、私が乗り込んだ飛行機は満を持して成田空港を発った。

 

 

感じる G。今になってやっと飛行機に慣れてきた。

以前は、「お父さんお母さん今までありがとう。幸せな人生だった」と死ぬ覚悟で震えながら乗ってたっけ。前日には必ず枕を涙で濡らすほどに。今も平気なふりできるようにはなったけど、よくみんな余裕かましてるよね。

 

 

今回利用した航空会社は、タイ航空。

こちらも初めてで、めでたくタイ航空処女を喪失。

日本でいうJALANAのような存在だって誰かが言っていたっけ。

いつも理奈と行く貧乏旅行は格安航空会社を利用するため、席をついてからとどまることのないおもてなしに感動と嬉ションが止まらない。

もうこの時点で、ひとり旅に出た意味があったよね。

映画やドラマが見れるのはもちろんのこと、ブランケットもご飯もオプションじゃないんだよ。機内に乗り込んだ瞬間からタイの匂いがするし、あいさつもサワディーカー。ご飯だってタイ料理。

 

カンボジアが目的の旅なのに初っ端からタイに癒されるなんて、贅沢すぎる旅のスタートとなった。まじでコップンカー。

 

ついでに隣に見知らぬイケメンを配置してくれたことにもタイ航空の気遣いが表れてるんだろうと思うと、タイ航空すげえ。さすが。

 

 

 

空の旅路は眠れなくて、開き直って映画を3本観た。サスペンスものが好きだからサスペンス3本。バッキバキに人が死んでいくやつ。

それでもひとり旅への緊張はなかなかほぐれるものではなかった。

 

 

ちょうど3本目が終わった頃に、初めてのスワンナプーム空港に着陸。現地時間の夜の11時くらいだったろうか。

 

飛行機を降りるのに順番を待っていたら、

イケメンさんとは逆サイド、通路を挟んで隣にいたお姉さんが話しかけてきた。

 

「ひとりで来たの?」

 

日本人だった。

それから話をしていくと現地の駐在員の奥様だそうで、バンコクアソークに住んでいるという。

正月から日本へ帰国していて、またバンコクに戻ってきたそうだ。

この旅で話しかけられたのが1発目だったのもあり私は元気よく、そうなんですよーっつって不安げな表情を作って見せた。

 

「女の子ひとりでなんて危ないよ!タクシーとかトゥクトゥクで変なところ連れて行かれないでね!本当にこわーい大丈夫かなあTVニュースで再会とかやめてよねー!」

 

 

え、めっちゃ脅すじゃん。そりゃ気をつけるけどさ。

 

そんな話をしている私たちの様子を近くで見ていた日本人の中年男性も話に入ってきた。

 

「えーひとりで来たの?女の子なのに危ない!」

 

彼も同じことを言う。

そんなに危ない街だったかしら…私が甘く見てたのかしら…と、微量の不安が襲う。

 

見るとその中年男性、完全にソッチである。

話し方や仕草、見た目がもうまさにソッチ。てゆうかそんなようなこと言ってた。

都内で弁護士として事務所を構えているそうで、お金をたくさん持っていそうな方だった。僕あやしくないよ♡って名刺もくれた。

 

それから税関を出て荷物を受け取るまで、その2人からの猛攻撃。不安を煽る猛攻撃。

 

まんまと不安になる私。

さっき観た映画のおかげで頭がもうサスペンスだし。ビビってきちゃったまじで。

それでもタイが好きだし、タイを少しは見てきたから来たことに後悔はしなかったけど。

 

 

そこでソッチの弁護士さんから提案された。

 

「僕、ナナのほうに泊まるから、少し遠回りだけどゲストハウスまでタクシーで一緒に送ってあげるよ!タクシー代も折半すれば安くなるしさ!win-winでしょ!」

 

 

ナナからだと本当にまわり道だった。

申し訳ないから断ったけど、2人の煽りが尋常じゃない。

その間弁護士はずっと、僕あやしくないから!何かあったら弁護士協会に報告していいから!!って自身の潔白を私に訴えていた。

まあそこまで言ってるし、ソッチだし大丈夫か、と少し構えていた私も信用することにした。

 

 

 

タクシー乗り場でお姉さんとお別れして、弁護士と一緒にタクシーへ乗り込んだ。

タクシーの乗り込み方もドンムアン空港とは違いがあって、ひとりだとテンパりそうだったから助かったよね。サンキュー弁護士。

 

 

車中では弁護士の旅行の頻度、奥さんの話(奥さんいたんだ)、この国がよかったなど饒舌に語ってくれた。

彼は今夜は朝方までパッポンで飲んで、次の日にはチェンマイへ出る予定だそうだ。

 

 

私も3日くらいバンコクで遊ぶ予定のことやその後は陸路で宿も決めていないカンボジアへ行こうとしてることを話した。

 

 

ひとり旅ってば、こうゆう謎の出会いがあって面白いんだなあとハイウェイからバンコクの夜景を見ながらしみじみする。

 

 

すると弁護士、

「ゆまちゃん面白いからさあ、僕とこの後一緒に飲みに行こうよ!僕の泊まるホテル広いから一緒に泊まればいいし、何もしないからあ!」

 

思わぬ角度から誘われた。たしかに話は楽しかったけど。

私2日前にめでたく30歳になったばかりだし何もしないを信用してホテルまで付いて行くほど無知ではないし、責任も負えない。

なによりあなた、ドッチもイケる口なのねって。奥さんいるって言ってたもんね。

 

いや純粋にそーゆうんじゃなく誘ってくれてるのかもしれないけどさ、私の中でさすがにそれは選択肢にも入らないぜ?知らないおじさんと同じ部屋はきついぜ?ましてや、デキないぜ?

 

 

断っても断っても、

「僕本当そうゆうことしないから!安心して!ゲストハウスのキャンセル料払ってあげるし!カンボジア行くのやめてチェンマイに一緒に行こうよ!」

グイグイくる。

チェンマイには行きたいけど、今回ではない。

 

ハッキリと断り続けて25分、車は見覚えのある街を走る。

彼もようやく飲みに誘わなくなった。

 

次に彼からふられた話題はバンコクがいかに危ないか。

その頃には彼に対して話半分で聞いていた私は、好きな国を冒涜されているような気になってちょっと嫌だった。どの口が言ってんだって。

 

そうこうしてる間にカオサン通りの近くにあるゲストハウスに到着。結局代金は彼が持ってくれた。

 

最後降りる間際、

「ゆまちゃんみたいな日本の子は、その辺歩いてたら誰かに襲われちゃうよ!

だったら僕が食べちゃいたかったのに♡またね!」

そう言ったあたりで私はドアを閉めた。

 

ゾッとした。

 

よっぽど日本人のほうが危ないじゃねえか。

英語話せないから道を伝えてくれたり代金を払ってくれたのは助かったけど。

そんなやつがタイ人のことを卑下するなんて耐え難いこと。

 

 

無事にチェックインしたものの、ドミトリーで同室の女の子たちは爆睡してるし、本当にひとりなんだって一気に不安になった。

脅されたこともあり次の日からの1週間に希望を感じることのできない夜。

 

結局旅に対して不安になったのはこの日だけだったけど。

 

 

はじめてのひとり旅としては印象的なスタートでしたとさ。

 

 

3.20