ただの旅記3
Wi-Fiが使えない2日目の朝の9時。
二段ベッドの上の人のささいな動作音で目が覚めた。無論、眠りは浅い。
まだ日本人には人見知り全開だけど、握りこぶしくらいの勇気を振り絞って
「おは、おはようございます」
「あーおはよーございまーす!夜中に来たんですかー?気づかなかったー!」
「おはようございまーす」
思いのほかみんな気さく。ひとまず安心。
挨拶ついでに勢いでWi-Fiについて相談してみた。使えねーんだけどみんなどーしてんの?的なこと聞いた。
「え、そもそもなぜWi-Fi?スマホにSIMカード入れる話じゃなくて?ポケットWi-Fi?え、なに言ってんの?w」
あれ、この人たちタイ人かな?ってくらい説明しても説明しても話が噛み合わない。
逆に彼女たちからもこいつタイ人かな?って思われてたに違いない。
日本語を巧みに操るで有名な私の華麗なる説明でさえ、Wi-Fiを使って海外でネットを使う意味がわからなかったそうで。
私に関しては、友人と旅行するときは必ずWi-FiにSIMカード入れて2人で共有するのがマストだったから、それ以外を知らなかった私と、スマホ自体にSIMカードを入れ替える術しか知らなかった彼女たちとの、初対面にして初めての戦争だった。
とにかく笑われたよ。
開始のゴングが鳴ったと思われる瞬間から30秒ほどで鮮やかに敗戦を認めた私はとにかく聞いたし教わった。SIMロック解除の方法を。
ソフトバンクでよかった。他キャリアだったら店舗に行かなきゃ解除できないらしいけど、ソフトバンクだけはネットでもできた。セーフ。
なんだかんだ親身になって教えてくれたバックパッカーのみなさん。旅慣れしているみなさんはそもそもSIMカードとか使わないらしい。
ネットなくてもどーにかなるっしょって。
つえーっすね。私はこえーっすわ。
あとはコンビニとかで売ってるSIMカードを買って、iPhoneに入れれば完了だぜ!
ここはカオサン通りの近く!どうにでもならあ!!
そのころには時刻は午前11時。
ネット環境もどうにかなりそうだし、この日は王宮へ行くことをマストとしていた私はお礼の言葉も早々にゲストハウスを出発した。
そしてゲストハウスを一歩出て気づく。
地理がサッパリわからない。
この近くに泊まったことないし、カオサン通りがどの方角かも王宮がどっちなのかもわからない。
そのころはマップスミーの存在も知らない無知な私は、ネットがないのでマップも見れず、あたふた。
とりあえず腹減ってたからセブンに寄って軽食。安定のホットサンド。
セブンの店員さんも心なしかこわい、睨んでくる。絶対気のせいだけど。
ひとり旅での孤独感を2日目にして早くも味わったときの顔がこちら。
希望のかけらも見えなかった。
これから何が始まるんだと。
なんとか見覚えのある道に出て、このまま歩き続けてれば王宮着けるんじゃね?と思い歩くこと1時間半、見事に熱中症になる。
ふつうにトゥクトゥク使えばよかった。
39度の!とろけそうな日!って昔懐かしい曲が頭の中で流れつつ私はというとすでにとろけていた。
だって本当に現地は39度。おかげで本当にセンチメンタル。
まじで死ぬかと思った。
ふらふらになりながらも団体チャイニーズについて行き無事に到着。
こんなダメージデニムを履いてしまっていた私は入り口ではじかれ、
巻きスカートを100Bで購入。(300円くらい)
巻きスカートを巻いたことがなくてヘラヘラ、さらに熱中症でフラフラしてたら、入り口で私をはじいた女性が手招きしてササッと巻いてくれた。
特に笑顔でもなく、特に親切ぶるわけでもなく、困った人がいたら手を差し伸べるのが彼らの普通の感覚。普通にやってくれんの。
私はタイ人がすごく好き。リスペクト。ラブ。
ただこのスカートの色はちょっとバッドチョイスじゃない?もっと可愛い柄とかあったじゃん。なんでよ。
そんなことを日本語で伝えつつ渾身のサンキューをした。
その後も無事に参拝完了。
心がやっと落ち着いた。
それからあの事件。乳首マッサージ事件。
旅の最中に書きたくなるような事件があって、持ってんな〜と自画自賛したよ。
詳しくは以前のブログをご覧ください。
なかなか進まない旅ブログだなー